「VPN Gate」を使ってスターバックスWi-Fiを安全に繋げてみた
以前「スタバの無料Wi-Fiを使う時の注意点」という記事で、暗号化されていないWi-Fi(無線LAN)を使う場合の注意点を書きました。
この記事は、昨年「lifehacker」さんにリンクを張って頂いたおかげで、現在もアクセスがあります。
スマートフォンやタブレットを使用する人が増えて、通信のセキュリティに興味がある人も増えたようですね。
今回は「VPN Gate」というサービスを使用して、スターバックスの無料Wi-Fiにセキュア(安全)に接続してみたので方法をご紹介したいと思います。
VPN Gateとは?
VPN Gateは、筑波大学が学術的な研究として行なっているサービスで、VPN中継装置に関する知見を得ることを目的としている・・・らしいです。
なんやら難しいですね。
そもそもVPN中継装置とはなんでしょうか。
VPN中継装置とは?
VPN中継装置はパブリックなネットワーク(インターネット)に、プライベートなネットワークを仮想的に構築するための装置です。
??
まだ分かり難いので、図にしました。
普通にインターネットにアクセスする場合
スターバックスのWi-Fiや、フリースポットなどの暗号化されていないWi-Fiでインターネットに接続する場合、通信が暗号化されていないため、悪意のあるユーザに通信を傍受される可能性があります。
※通信自体が暗号化されている場合は大丈夫ですが(httpsなど)
VPN装置経由でインターネットにアクセスする場合
VPN中継装置とiPhone、iPad、PCなどの端末間でトンネルを張り、トンネル内の通信は全て暗号化されます。
このトンネルが仮想的なプライベートネットワークです。
そのため、傍受されることは理論上ありません。
このVPN中継装置とプライベートネットワークを確立するサービスが「VPN Gate」です。
使い方
使い方はホームページに詳しく記載があります。
VPN中継装置との接続方法は何種類かありますが、とりあえず使いたい方は"推奨"と記載があるものが簡単かと思います。
スターバックスWi-Fiで使ってみた
スターバックスWi-Fi+iPad miniで使ってみました。
まず、Wi-FiのログインID/パスワードを入力してログインします。
Wi-Fi接続後に、「設定」からVPNをオンにします。(設定が完了している必要があります)
接続されると画面左上に"VPN"のアイコンが表示されます。
実際にVPN中継装置経由になったかは、普通に使っている中では分かりません。(=意識しなくてもよい)
今回は確認のために「確認くん」を使用して、IPアドレス(自分の)を確認してみました。
VPN中継装置接続前後でIPアドレスが変化していれば、VPN中継装置経由になっています。
接続前
接続後
変わっていました!
注意点
無料のサービス(しかも研究目的)のため、品質や安全性は完璧ではないと思います。
接続可能なユーザ数にも制限があります。
あと、通信がVPN中継装置経由になるため速度が遅くなります。
また、だれでもVPN中継装置として登録できるようになっているため、悪意のあるユーザが中継装置として登録され、そこにVPN接続されると以下のようなことが考えられます。
悪意のあるユーザが用意したVPN中継装置に接続した場合
暗号化された通信はVPN中継装置で復号化(暗号化が解除される)ため、装置側で通信が傍受される可能性があります。
あくまでも研究目的なので、この辺を理解した上で使用してみて下さい。
自宅のルータやサーバ(PC)などでもVPN中継装置を作れるので、安全を考えるのであれば自分で作るのが良いかもしれませんね。
こういうサービスは需要あるんですかね。
月額1000円くらいで安全なVPN接続だったら使ってみたいですか^^?
ネットワークを作る仕事をしているので興味があります。